エンジニアの英語あるある

テックポエム

こんにちは。株式会社ユニフィニティーの脇村と申します。
弊社では開発方法としてスクラムを採用してまして、スクラムマスターというお仕事をさせていただいてます。
逆にスクラムに詳しい方は「え!?スクラムマスターって名刺の肩書きなの?」と驚かれるかもしれませんが、そのお話はまた稿を改めてお話させてください。

さて、現職はスクラムマスターの私なんですが、実はブリッジエンジニアという仕事の経験があります。 こちらも耳慣れない仕事かもしれませんので軽く説明させていただきますと、外国と仕事をするとき、国内の開発チームと外国の開発チームの間に立って、主にエンジニアリング関係のマネジメントを行うお仕事です。 外国といってもいろんな国がありますが、私の場合、マニラにある開発チームでお仕事をしていました。 当然なのですが、現地スタッフと話をするときには英語を使いますし、Web会議であれば通訳もします。 そんな現場で、ブリッジエンジニア同士が話をするときの英語あるあるをご紹介しようと思います。

ブリッジエンジニアや現地駐在員同士で話をすると、まあ、そういう人たちは英語なり現地語なり話せるのでブリッジエンジニアだったり現地駐在員ですので、彼ら自身は特にそこで問題になることは少なく、 混乱を引き起こしたりするのは、日本から時々来る日本人スタッフの皆様の場合が多いという話になります。私が実際に見聞きした事例をいくつか挙げさせていただきましょう。

日本人は本当にLとRが苦手

これは巷間、よく言われることですが、困ったことに本当です。困る文章をいくつか。
Are you ready?
と言いたくて
Are you lady?
と言っちゃったら、最悪、殴られます。

Turn right!
と言いたくて
Turn light!
と言ったらタクシーの運転手は車の室内灯をつけてくれるか "Why?" と聞かれるかです。右に曲がってはくれません。

Am I correct?
と言いたくて
Am I collect?
というと不思議そうな顔をされるでしょう。

router
は日本語ではルーターですが、英語発音は「ラウター」の方がまだ近く、そういわないと通じないのでネットのセットアップができません。
私が通りがかって話すまで、日本から来た人は絵まで描いて説明してましたが、現地人は後で聞くと「日本には何か別の機械があるのだと思っていた」そうです。

FAXは絶対に日本語で言っちゃだめ

日本語発音のファックスは、英語のfour-letter wordの発音にきわめて近いため、トラブルになってもいいなら止めませんが、言わないほうがいいです。
「今からFAXのテストしますー」と日本人スタッフがいうたびに外国人スタッフはみんな私の顔を見るので困ったことがありました。外国人スタッフはお客であるところの彼が 「怒ってるのではないか?」と心配するからです。じゃ、どう言えばいいかというと、「フェークス」ならなんとか。

カルピス?そんなものを日本人は飲むのか!

外国人にはcow piss (牛のおしっこ)に聞こえます。日本を案内して差し上げるときには注意してください。確かにそれは飲料ではありませんね。外国ではカルピコという名称で売ってるそうです。

あなたは何をしでかしたのですか?

日本でいう「すみません」は、きちんと excuse me もしくは thank you を使い分けた方が無難です。相手は、何かをしでかされたと思って、こちらの数倍シリアスになります。 あいさつがわりに I'm sorry. というと、実は後でブリッジエンジニアは「彼はどうしたのだ?なぜあんなに謝ってるのか?本当に問題ないのか?」と聞かれています。

時間は24時間なのは日本くらい?

15:00という言い方はどうも日本語独特らしいです。理解はしてもらえますが。もっとも、時間が正しく伝わったところで、文化圏によっては全く守ってもらえませんが、 日本基準で腹を立てていると身がもたないので、時間にルーズな文化圏のブリッジエンジニアは早々にあちらの文化圏でのアレンジの仕方を現地の人に教えてもらってると思います。 しかも、すべての行動で時間にルーズなわけでもなく、現地に長い人の言うことを聞かないと大変です。

カタカナ英語は有害無益

業界用語は由来は英語でも、すでに日本語になってるモノもあります。混乱を生むので、カタカナ英語は疑ったほうがいい、というより、知らないほうが経験上、意味が伝わります。
代表選手は「デグレ」。degradeに日本語の「デグレ」の意味はありません。regressionを使うのですが、これがまた中途半端にリグレッションテストは日本語と同じ意味なので、 混乱が深まります。

スタッフ、というのも微妙に日本語です。日本語でいうと、メンバーの方が日本語でいうスタッフに近いでしょう。 スタッフというのは、stuffならモノって意味になるし、staffはちょっと扱いが面倒な単語なので、慣れないうちはメンバーをつかったほうが楽です。 例えば staff-engineerというと、日本語感覚だとあまり上位にならないと思いますが、英語でstaff-engineerという職位だと、 相手はかなり高位のエンジニアです。

文字通りあいさつに困る…

日本では身内のミーティングは「おつかれさまです」などから始まることが多いと思います。ご承知の方も多いでしょうが、このアイサツに相当する、正確に言うと文化がありません。 なので、TOEICなどで高得点をとれる方でも、実務の洗礼、これに類する英語がないので文字通り、あいさつに困ります。
一応、Thanks for hard work. と訳しますが、それはそれで「なぜハードワークに感謝するのだろう?」という更なる質問を生みかねず、 会議は最初から微妙な空気で始まるわけです。

本当に喫煙可能?

ファインと言われても疑ってください。なぜなら、fineには罰金の意味があるので、相手は「ここで喫煙をすると罰金だ」と言ってくれてるかもしれないです。
これは私がやらかしました。
「タバコ吸おうよ!」Let's have smoking! 「いいねえ!」It's a fine.だと思ったら、「いや、罰金だから」って意味だったという…。

意外と大丈夫!

逆に案外大丈夫な例もあります。
please sit down. は日本語発音が誤解を生まないほうの発音なので、案外大丈夫です。
please shit down. だとえらいことになりますが、こっちのほうがむしろ、日本人的には訓練が必要な発音なので。

とまあ、こんな感じで。色々とあるのですが、最近はエンジニアでも英語の読み書きだけではすまなくなってきました。 そして、まだまだ英語は国際標準語なので、今まで関係なかった人達も英語を話さなければならない時代です。
残念なことに、仕事では相手は英会話の先生ではありませんので、日本人が間違えやすいことやアクセントに慣れていません。しかも、英語のネイティブでもないことも多々あります。
しかしそれでも、これは私の想像にすぎませんけれども、ブリッジエンジニアや現地駐在員の皆さんの多くは、時々いらっしゃる視察員の皆様には自分の言葉で話してほしいと思ってるのではないでしょうか。
単語の強弱だけでも何を問題にしているかを伝えることもできますし、文章の組み立ては日本語でも英語でもその人独自の個性を表します。
正直、ブリッジエンジニアって専門の通訳というわけでもありませんから、そこまで正確に通訳は難しい事情もあります。もっとも、そこをうまく利用して、話をきれいにまとめる凄腕のBEもいるんですが、 それはかなりの高等テクニックで、私にはまだまだです。
たしかに、語学に向き不向きは実際にあって、私は幸運にも語学が嫌いではなく、辛い勉強というより未知の言葉がわかるようになるのが楽しくて、 ワクワクしながら英語を学ぶことができましたけれど、エンジニアの方は時々、英語の勉強がいやだからエンジニアになったという方までいらっしゃいます。 でも、一度、どこでもいいので日本以外から開発を見てみると、誇張ではなく、世界観が変わります。個人的には、それは経験せずにいるのはとてももったいない経験だと思います。


ではまたの機会に!
ちなみに扉絵は "Don't push your luck!" (調子に乗るなよ!)というのが正解。