プログラマの健康とフェルマーの最終定理について

テックポエム

先日、オライリーから健康についての本が出版されているとの情報を得ました。
技術要素に着目した解説書籍は数多出版されていますが、プログラマの健康に着目したのは面白いと思い購入しました。

内容は、腰痛、手首痛、頭痛、眼精疲労の予防など、プログラマにありがちな職業病への対策が網羅されています。
また、健康のユニットテスト、アジャイルなダイエット、健康のリファクタリング等、現代的なプラクティスに準えた内容です。
幸福で生産的なプログラマに変身してもらうためのガイドと謳っています。
著者が内科医であり、かつプログラマとのことで巷に溢れる似非科学Tipsよりも安心感があります。

20世紀の話になり恐縮ですが、ハッカーといえば心身ともに不健康なイメージであったかと思います。
ジャンクフードとカフェイン、深夜にキーボードを叩くとハッカー神が降臨して解法を告げる黒魔術かアニミズムの時代です。
タイムマシンがあれば、当時の自分に、さっさと寝るか散歩しろ、と言ってあげたい気持ちになりました。

興味深いものとしては、第2章の「健康のブートストラップ」で考察される、脳の活動と散歩(ウォーキング)の関連性です。
アンドリュー・ワイルズを例に、散歩の効能について論じらています。

アンドリュー・ワイルズ(Andrew Wiles)は、1995年にフェルマーの最終定理を証明した数学者です。
8年間屋根裏部屋で仕事をして、偉業を成し遂げました。
350年の間、未解決問題として多くの人々を魅了してきた有名な問題です。
またフェルマーのコメント「私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。」でも有名な問題です。

ワイルズは、近所の湖畔をメモ帳をもって散歩し、ひらめきがあればベンチに座りメモを書いたそうです。
散歩中は問題の細部に、より集中することができたと述べられています。

我々プログラマもソフトウェアの問題について解法を考えています。問題を解くという思考プロセスは同じではないでしょうか。
どちらも高度の集中力と創造性が必要な仕事という点では同じです。

散歩が心身に良い影響を与えるのであれば、積極的に活用した方が良いと思います。
感覚的にモニターを見つめていても、良いアイデアは出てきそうにありません。
思い切って席を立ち、散歩した方が良さそうです。

それでは皆様、健康で楽しいプログラミングを!


参考文献と読書案内
Joe Kutner、玉川龍司訳、「ヘルシープログラマ プログラミングを楽しく続けるための健康Hack」、株式会社オライリージャパン、ISBN978-4-87311-728-1

結城浩、「数学ガール フェルマーの最終定理」、ソフトバンククリエイティブ、ISBN978-4-7973-4526-1
数学が苦手な方でも、ワイルズの証明の道筋をわかりやすく理解できる良書です。巻末の参考文献と読書案内が好きなので真似してみました。

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