歴史に学ぶ時代の節目

社長ブログ

おはようございます。

ユニフィニティーの曽良です。

平成が終わり、令和が始まりましたね。

新天皇の即位とのことで5月1日が今年に限り祝日となり、前代未聞の10連休となりました。みなさん、いかがお過ごしでしたでしょうか。私は、仕事の遅れを取り戻す絶好のロスタイムと捉え、日々机に向かっておりました。

さて、令和です。

これから新しい時代ですということで、連休中、平成を振り返り新しい時代を語る特番だらけでしたが、これはすこし違和感ありますよね。果たして変わるのは時代なのかと。

冷静になってよく考えてみれば、元号と時代区分は、通常あまりリンクしません。改元は、今回同様天皇の交代に伴いある種機械的に行われる一方、時代区分というのは後世の歴史学者が歴史を体系的に理解するなどの目的で、なんらかの時代的特質に基づいてグルーピングしたものです。

江戸時代にも天保とか享保とかいろいろ元号はありましたが、時代区分は全部江戸ですよね。きっと当時の人からすれば天保と享保で多少気分が違ったりするのでしょうが、徳川家による支配が継続していた期間としてひとつにくくったほうが、理解しやすいわけです。

逆に1925年から1989年まではずっと昭和ですが、戦争の前と後で時代感は全然違いますよね。太平洋戦争での敗戦は、まさに日本の近代と前近代を分かつエポックでしたが、昭和天皇が日本国民統合の象徴としての役割を得たことで、戦後も昭和が継続しました。戦前の昭和天皇と戦後の昭和天皇では役割が全然違うので、すごくわかりづらいですが。

そういう意味で、時代区分と元号が一致しているのって、実は明治くらいじゃないかと思います。どうでしょうか。

時代の節目を捉える

ですので、今回、確かに令和になったものの、これで新しい時代ですというのはちょっと違うのではないかと思っています。何が言いたいかというと、本当の時代の変わり目、転換点、節目を見誤らないようにしましょうということです。

時代の節目では、それまでの旧い支配者が倒され、新しい支配者が誕生します。そして、新しいルールが誕生するものです。これまでもずっとそうでした。

当然、私たちの生活も大きく変わるでしょう。新しい時代に素早く適応した人は力を蓄えますし、旧い時代に固執した人は力を失っていきます。だから、私たちは時代の節目というものを冷静に見極めなければいけません。何も新しい支配者になろうというわけではありません。時代に取り残されないためです。

本当の時代の節目というのは結構じわじわ来て、瞬間的には判別しづらかったりします。今回の令和みたいに数年前からほのめかされ、1ヶ月前に有識者が懇談で決定し、カウントダウンで迎えられてスパッと切り替わったりしません。時代の節目を捉えるには、私たちが時代に敏感になる必要があります。

歴史に学ぶ

新しい時代を統べる新しい支配者はどこからやってくるのでしょうか。

歴史に学ぶと、これは大体3パターンある気がします。

いきなり外からくる

ずっとライバルだった人が台頭する

富の流れが変わってこれまでと全然違う人が一気に力をつける

です。

今に至る日本の戦後時代を始めたのは太平洋戦争の勝者であるアメリカで、これは上記1のパターンにずばり該当します。

では今の日本に突然侵攻してくる外敵がいるでしょうか。おそらくですが、可能性は低いと思います。中国が攻めてくるのではないかと恐々としている向きもありますが、私は本質的にメリットがないと感じます。むしろあの国はデカすぎる図体を分裂せずにつなぎとめる方向に真剣になった方がいいでしょう。

すこし遡って明治維新は、開国の話があるから1のパターンのような面もありますが、本質は2のパターンです。徳川家に敗れ外様として地方に追いやられた大名が貿易などで力をつけ、同じく追いやられていた天皇家を担いで江戸幕府を転覆しました。こういうことはよくあって、鎌倉から室町の流れも似てます。実権を取り戻そうと思ったGODIEGOが足利、新田と組んで幕府を倒しました。結局足利に出し抜かれますが。

このパターンも、現状ではあまり想定できません。いまの日本政府のライバル。誰なんでしょうか。徳川家でしょうか。徳川家の末裔、なんか財閥系の某商社とかに殿様待遇で迎えられているとかいないとか噂で聞いたことはありますが、まさか日本政府と戦うほどの力があるとも思えません。だいたいこういうとき、日本では天皇家と組まないと対抗勢力は難しいです。天皇家は日本政府としっかり歩調を合わせていますよね。たぶん。

問題は3のパターンです。

だいたい支配者というのは、自分よりも大きな力を持った人が出てこないように統治をするもので、富の流れを中央集権化しつつ、民の武装を禁止して、暴力機関を独占(警察です)したりします。結局力こそパワーな世の中では、そうしないと自分より強い何かにポカンとやられて転覆させられてしまうからです。

日本の歴史でいうと戦国時代がそうですよね。戦国時代が秀吉の検地で終わったことからも分かる通り、そもそも戦国時代に至るほど各地の大名が力をつけたのは、当時の富であった米、その米を生み出す田んぼの管理を武士が担うようになったからです。墾田永年私財法で民営化された田んぼは、御成敗式目で守護地頭の管理下になり、次第に中央の管理下から外れていきます。ピンハネで力をつけた大名は、我こそはと各地で旗揚げします。

情報という富

次に何が起こるかを考えるうえで、歴史に学ぶことは多いです。次に起こることはなんでしょうか。

実際、現代においては、富の流れというのが思いっきり変わってきています。

モノやカネが失脚し、情報がかつてないほど価値を持っている。タピオカ屋は空間の意味を売っているという話をしましたが、意味というのもつまり情報です。情報を束ねてそこに意味づけをする行為がものすごい価値を生んでいます。

情報というと、第四の権力と言われたマスメディアを想起する方もいるやにしれませんが、むしろその、マスメディアが情報を集約してコントロールしていた流れが劇的に変わりつつあります。

TwitterやFacebookを使えば、今や全ての人が、全世界に向けて情報を発信することができます。なかでも強い発信力、つまり情報に意味づけする力をもったインフルエンサーと呼ばれる人たちも登場しています。そして、そうして生み出された莫大な量の情報は、中央に集約されることなく、PtoPで盛んに取引されています。70億人から情報を収集して、それを70億人に発信して、つまり70億+70億だった世界が、一気に70億×70億に変わろうとしています。すごいですよね。計算できないです。

この莫大な情報という富を管理する事業者は、その昔幕府を出し抜いた大名のように、次第に政府をも凌ぐ強大な力を付けていくでしょう。現に国境を超越した情報産業に対し、各国政府はうまく課税することすらできていません。

令和という元号自体も情報です。ただの4月30日を「平成最後の日」に変える大きな力を持った情報です。

情報に踊らされるだけでなく、情報の意味をしっかり考えていきたいと思います。

さあ、令和時代も頑張りましょう!

著者情報

曽良 俊介

カツラです。社長とCEO。 twitterもフォローお願いします。 https://twitter.com/shunsukekatsura

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